オペレーター処遇改善問題─小さな社会の大きな差別

メンバー紹介

── 「アルバイト」として入社するときの労働条件はどんなものでしたか?
ウサギ:私は入社18年なんですが、当初は準社員として入社しました。保険は揃ってたけど時給制。でも、景気が悪くて6ヵ月後にはアルバイトに成り下がりました。保険もカットされました。
クマ:入社3年目のコアラの場合は、パソコン経験はあまり関係なかったみたい。確か、求人に掲載されていた範囲なので、「勤務時間が9時半〜17時半、時給○○円以上」ってな感じだったと思う。
コアラ:それと、面接の日が初出勤日でした(笑)
ネコ:入社5年目の私の場合は「Excel・Wordが扱える方」だけでしたね。面接の時、実際にパソコンを扱わされました。そして出社当日、なぜか「デザイン担当の猫さん」と紹介され呆気に取られた。
ウサギ:「Excel・Wordが扱える方」だけだったのよね?デザイン担当というのは図々しい!
ネコ:それ以外の労働条件は今と変わらず、時給も「慣れたらUP」みたいな感じで。
ウサギ:「慣れたらUP」は今もあるね。それも納得できる時とできない時があって全体のバランスが取れてないのは困るね。
ネコ:最初のうちは前の職場の思い出とかもあって、「給料安くても環境を金で買ってるんだ!」と思うようにしてました。この会社の緩さ加減が本当に天国に感じてましたし、仕事内容も好きだったし。

── 正社員の業務補助=アルバイト+長期間勤務だから、「長期アルバイト」という扱いだったのでしょうか?
ネコ:正社員の業務補助と感じた事はないですねぇ。
ウサギ:長期というのは期間の定めがあるようでないようなという意味だと思う。
クマ:今から思うと「長期」ってあいまいですね〜。ただ、長期アルバイトには3ヶ月更新の契約書類はありましたよね?
ウサギ:今思えば、「3ヶ月更新」なら社会保険に入れなくていいって会社が考えていたんじゃないかって気がする。
ネコ:3ヶ月更新の契約書を出さなかったこともしばしばありますが、「出せ」と会社からいわれたのは1度だけだったかな。
ウサギ:ホント事務的だったもんね。昇給するかも知れないって時期に、経理担当が先走って契約書を持ってきたり。「まだ時給は確定してない!」ってーの!
ネコ:昇給とか時期もバラバラでしたね。2年据え置きだったり。
ウサギ:すべては景気のせいにされて。しかし、意味のない「3ヶ月の更新」でも、「雇い止め」は怖いよね。
ネコ:勤め始めた当初は、私にとっても「3ヶ月更新」は都合が良かったんですよ。長居するつもり無かったから。
ウサギ:あら?そうなの?
ネコ:でも、まさか「長期アルバイト」を5年も6年もやる事になるとは思いませんでした。
ウサギ:ほんと長いバイトよね〜。

── 長期アルバイトであることに疑問をもったきっかけは何ですか?
ウサギ:そうね〜。同じ仕事を正社員もやってる時とか、逆に正社員に仕事を教えたり指示出したりすることもあったし。
タヌキ:正社員が長期アルバイトさんからアドバイスをもらうこともありましたよ。
ネコ:私は日常業務の中で、「アルバイトだからって、能力の安売りをしなきゃいかんのか!」という不満が積もり積もってでした。何気なく頼まれる仕事が、自分の蓄積された専門技術をフルに使うもので、有難うもなく持ってこられたりして。そういう人の仕事を受けてる間は「評価もないのに、なんでこんなに頑張んなきゃならないんだ」っていう不満が溜まる一方でした。
クマ:正社員の側からいうと、「アルバイト」扱いだから仕事がない時に会社の都合で年休をとらされたり、3か月毎の更新があやふやにされていたりしてましたよね。
ウサギ:不満は組合に入るずっと前からですね。時々すねたり泣いたり、割り切ろうと思ったり。で、実際に組合に入り、ユニオンの書記長から「そんなに長く勤めてるのにアルバイト?!」と驚かれたのではっきり自覚しました。
ネコ:本当に「都合のいい女」状態なんですよね。
ウサギ:そうよね〜・・・・。(しみじみ)

── 長期アルバイト時代に、特に不満や不安に感じていたことは何ですか?
ウサギ:不満はあります、いっぱいね。ボーナス時期が悲しかった。あとは、さっきいってた会社都合の強制休暇・・・・いろいろなことが走馬灯のように頭の中駆け巡ってる。(再びしみじみ)
ネコ:不満は評価制度がなかった事。良きにせよ悪しきにせよ、評価制度があれば「どうでもいい存在じゃないんだ、ちゃんと見てくれてるんだ」と安心したでしょうし、自身のスキル向上にもつながるだろうから。あとは一時金(寸志)&時給の低さ&昇給時期のあやふやさ。仕事が真に補助業務なら「アルバイト」なのかなぁと思えたかもしれませんが、実態は「分業」で、私たちの担っているのは重要な仕事だったんですよね。普通「アルバイト」つーたら雑務!
ウサギ:私たちが何年勤めても、あとから入った正社員が1年も経てば給料面で追い抜いていく。どんなにがんばってもバイトはバイトって・・・・虚しくなる。
ネコ:私が初めてもらった夏のボーナスは1万円!
イノシシ:い、い、い、い、1万円?!
クマホントに雀の涙のような寸志(汗)。
ネコ:手取りは9千円でしたぞ。それもらった時は、本当に「あぁ・・・・スンシってこれかぁ・・・。「長期アルバイト」ってこんな扱いなのね」とガックリ。やる気激減。
ウサギ:だって、つい最近まで現金支給だったもんね。
ネコ:そうそう。最近になってようやく銀行振込になりましたもん。(←※ある程度の額から振込みになる)

── では、現オペレーターの皆さんにとって、長期アルバイトとはなんだったと思いますか?
ウサギ:長期アルバイト?この会社にはもはや存在しない。
ネコ:長期アルバイト=「都合のいい女」・・・・これしかねぇよー。

── 処遇改善について具体的に要求するのに、どういった点を主に問題視したのですか?
ネコ:とにかく3ヵ月毎の更新がウザかった。意味もなかったし。
イヌ:確か、長期アルバイトさんと会社は、形ばかりの雇用契約書を3ヵ月おきに交わしていたんですよね? それって会社にとっての「保険」っぽい位置づけだった気がしますね。
レアコアラ:そもそも契約書自体、契約期間を遥かに過ぎてから書かされたりしてましたよね。
ネコ:私たちの無期雇用化に対して、社内でも「バイトじゃなくなったら、簡単に辞めさせられないじゃないか」といった発言があって、その時はっきり自分たちの地位を認識しました。
ウサギ:あれは現実味があったわよね…まるで「調整弁」として使われるって。
ネコ:アルバイトで長期間働いてる人がたくさんいるのに、あの発言は真後ろからビーンボール投げられた感じでした。ベテランだろうがなんだろうが、ただの便利遣いなんだ?って。
ウサギ:だから、都合のいい女なのよ! そんなん聞いたら、こっちも態度変えたくなるよ!
イヌ:実際の仕事内容よりも雇用形態で二級市民扱い…シドイ。
ネコ:だから余計に「ぜってー無期化してやる!!!!」とか思った。
ウサギ:それから、仕事がないので休みを半強制的に取らされるのも気にいらなかった。

── NNRC-UNIONからの要求は、有期雇用制度の廃止と「オペレーター」への呼称変更だったそうですが…。
ウサギ:当時、勤続年数が17年であり、これが事実上、「期間の定めはない」といえることから、無期雇用は勝ち取れるという自信があった。まあ、見事に裏切られるわけですが。
ネコ:会社はもっとすんなりに受け入れてくれると思ってましたよ。「当然受け入れてくれるよね? あら、ウソ。反対されちゃうわけ!? なして!?!?」って感じでした。
クマ:最初は私たちの要求に「何のメリットがあるか分からない」って感じでしたね。
イノシシ:確かに、要求の意味が「?」って感じでしたよね
イヌ:会社側は「無期雇用にしたら社員にしてくれってこと?」、「正社員と同じ仕事がしたいの?」ってなことを言ってましたね。
タヌキ:「管理や営業もしたいの?」ってことも言ってました。
イノシシ:そもそも、やってきた仕事が違うだろが?! だれもそんなこと要求しているわけでないのに!!!
ネコ:「長期アルバイト」の仕事の重要さは口にしつつも、根本的な扱いは伴ってないんだよね。
イノシシ:あくまでも会社の考えはアルバイトはアルバイトだったんよね。集計・PCオペ業務はアルバイト。「そうじゃない!」って何度言ったことか。勤続年数17年のアルバイトよ! 17年!
クマ:3ヶ月更新の曖昧さを指摘して初めて納得しはじめたようでした。
ネコ:まぁとにかく、会社の反応は予想をはるかに裏切ったものだったッスよ。
イノシシ:呼称変更についても、こっちは「オペレーター」っていってるのに、会社は「アシスターはどうだ?」って…はぁ〜? アシスターってなんや?!
イヌ:団交でもツッコミ入れたけど、アシスターという英単語は存在しましぇ〜ん。
イノシシ:アシスター → アシストする人 → 助手 → 補助的人間っていわれた感じでさらに頭に来た!! 「集計業務は補助的業務ですか?」って何度も何度もいいましたわな!
イヌ:オペさんに対する会社の認識があまりに「二級市民扱い」だと、「じゃあお前集計やらPCオペやらやってみろ!あぁ?」ってな不毛な話に突入しそうになりますもんね。
イノシシ:そうそう(笑)! 「あぁ?」って感じ!
ネコ:「区別」と「差別」のガチ勝負。
イヌ:もー、あれもうんざりする<区別と差別。「不倫じゃないよ、異文化交流」みたいな。
クマ:アシストされている正社員が実際いるということは、「オペレーター」なしでは仕事が成り立たないという事だと分かってない。無意識的な差別が団交してるとぽろっと出てきますねえ。

── 長期アルバイトからオペレーターへの呼称変更を求めた狙いはなんだったんですか?
ウサギ:均等化への第一歩。形から入るみたいな。少なくとも、いわゆるバイトがする仕事はしてないしね。
イヌ:「雑用バイト君」との明らかな一線を画すため。「アルバイト」が一般に与える印象と、オペさんの実態にギャップがありましたからね
イノシシ:どうも長年NNRCにいる人にとっては「アルバイト」と呼ぶことに違和感はないみたいですが、外部の人が「アルバイト」と聞くと、学生のアルバイトさんをイメージするんじゃないですか?
ウサギ:そうですね。本人(たち)も「アルバイト」と呼ばれることを無意識に受け入れてたしね。
イヌ:学生アルバイトさんなんかに内勤の仕事をしてもらうときは「臨時バイトさん」(?)なんていう変な呼び方をしてました…長期バイト、フルタイムパートタイマー、絶対に変だ!
イノシシ:そのくせ、クライアントには「アルバイトが集計しています」とは言えないんやから、ほんと確信犯ですな。
イヌ:時給社員、で全然かまわないと思うんですよ。問題はコマ切れの雇用だからって、権利までコマ切れみたいな考え方が社内にあること。だから、呼称が「オペレーター」に変ることで、スペシャリスト集団とか、技術者集団というイメージが社内外に浸透してほしいと思ってました。
ウサギ:簡単にやめさせたりはできないとか、身分的に下ではないとか、効果はいろいろありましょうが、「同じ従業員である」と意識を改めさせることかな。

── 有期雇用から無期雇用への転換について、団体交渉でのやり取りをもう少し具体的に話してもらえますか?
ウサギ:私の場合は、ものすごーく長い勤務年数だったし、そもそも入社時には期間の定めはなかった。それに、たとえ無期にしても「会社に余計な出費はない!」って言いましたね。
ネコ:「承諾書を何度か出さない時もあったけど、会社から何か言われたことはなく、形骸化してるじゃないかー!」と言ったのを覚えてます。更新手続きはまだなのに、仕事のスケジュールがすでに先まで入ったりしてたんで、正社員たちも「長期アルバイトには3ヶ月という期間がある」という認識自体がなかったろうなぁと。
ウサギ:3ヶ月の雇用契約といっても、書類を提出するのは1ヶ月遅れはザラ。しかも、経理スタッフが事務的に持ってきて「書いて出して」という形式的なもの。
ネコ:こちらの主張に対して会社は、「新しく項目を追加した別の契約書を作る」と言ってきて、それと合わせて「アルバイト勤務規程」なるものを出してきた。それには、「従業員賞与支給時に寸志を支給する」とか、「退職金は支給しない」とか、「アルバイト従業員たる地位と矛盾しない限り…」とか書かれてて、すごく差別されてるんだと身にしみました。
イノシシ:アルバイト勤務規程は…とても非人間的な感じがするので二度と見たくないわ!!
ネコ:結局こっちの言い分をのんで有期撤廃にはなりましたけどね。
イノシシ:認めたといっても会社の様子は、キツネにつままれたような感じじゃなかった? 団交で主張した事で記憶に残っている決定打は、「じゃー3ヶ月更新ってことは、毎回3ヵ月後に仕事がないんですか?」って言ったこと。実際は、オペレーターも業務をほぼ「担当」して専任してる業務あるんですからね。
ウサギ:最後は契約してないまま仕事してたもんね。何ヶ月も。
イノシシ:それだけ、意味がない書類だったって証拠ですよね。
ウサギ:事務的で形式的なだけ。でも、いつか雇い止めに利用されちゃ困るもんね。
イノシシ:意味がないとはいえ、いつその書類を持ち出して「雇い止め」を言い渡されるかわからないから、やはり形式的でも「撤廃」させることが重要だったと思う。
ウサギ:そう。だから、要求直後はすぐに叶うと思ってたのが、会社が弁護士のアドバイスに心揺れて…のときは、「雇い止め」の気持ちがちょっとでもあるのかと不安だった。辞めさせられるという不安だけでなく、辞めてもらいたいと思われるだけでも傷つくちゅーもんよ
ネコ:私は不安はまーったくなかったんですけどね。言い渡されても実際には雇い止めできない状態なんで。

── ところで、処遇改善と同時にH15年夏季一時金の要求も行ったようですが、成果はありましたか?
ネコ:もともと私たち、「寸志」だったんですよね。
ウサギ:そうそう、はじめからたいした働きでないと言われているみたい。
ネコ:「低すぎるんじゃぁ!!」って主張したら、「バイトのくせに生意気だ!byジャ○アン」みたいなパンチくらったかな。本当にそう言われたわけじゃないですけど、会社の反応ってそんな感じに見えた。
イノシシ:バイトに寸志が出るだけありがたいと思え!みたいな…だから!バイトじゃないんじゃ!!
ウサギ:驚きと衝撃が悲しみに変わり、やがて不良への道を踏み出してやるっ!…期末手当のときはもっと驚いた! 前々期、私たちには最初無支給だったもんね。
ネコ:初めて期末手当出た時は、それまで期末手当なんてものがあったことすら知りませんでしたよ。
ウサギ:利益が出た時だけではあるけど、まずは正社員から利益配分というのはずっと前にもあったこと。当然バイトも貰ってると思っていた正社員が、「いいえ、私たちはもらってません」って聞いて申し訳なさそうだったもん。
イノシシ:期末手当が出たのは、不払い残業代の清算手段のために会社が使ったんよ。だから前々期は正社員も期末手当はないです。
ネコ:会社の言い分だと、あれは「期末手当」ではないもんね。あくまでも「未払い残業分の支払い」(詳しくはサービス残業問題参照→)
ウサギ:そっか、前々期の正社員の分は残業代だったね。
イノシシ:そう。「期末手当」が出たのは、管理職(+α)とオペレーターさんたちだけですよ。とはいえ、オペさんに期末手当てを出すつもりは会社にはなかったんですけどね。
ネコ:寸志ですけど、1ヶ月分とかそういう支給基準じゃなく、まずは1万円からスタート!そして、あとは気持ちで徐々に上がる!みたいな感じでしたね。
ウサギ:これが気持ちか…そうなんだ……現実(涙)みたいな。
イノシシ:でも、定期的に昇給していたんでしょ?
ネコ:昇給は不定期、一時金の上げ幅もまちまち。「評価をしていただけないなら、今後はそれ(賃金)に見合った労働をさせていただきます」ってウサギ"さんの団交での発言…あれは重い(笑)。
ウサギ:昇給はするときはする。ないときはない。するとしても5月とか6月とか年度が始まって1〜2ヶ月遅れるのが普通。すべては景気に左右される感じで。
ネコ:私のここ数年の昇給時期は11月・9月・7月…年も飛び飛び。
ウサギ:そうね。ひどい。今期はまだましか? 4月にさかのぼって差額修正してくれたし。
ネコ:そうそう、差額修正とかも今年はじめて経験しましたよ。
ウサギ:私も久しぶりだった。
イノシシ:不定期昇給、不公平な利益配分…しかし、実際は基幹業務を担う労働者…それがオペレーターの実態か…(再沸騰)。
ネコ:そそ。その実態を、懇々と主張した…で、とりあえず今期オペレーターの一時金は一律3万円UPだったかな。

── 一時金の要求の成果(一律3万円UP)はどう評価しますか?
ネコ:妥協の産物3万円。会社としては「頑張った3万円」なんでしょうけど。
イノシシ:猫男に同意。妥協の産物にしか思えない。
ウサギ:あっさり上がったのはちょっとびっくり。今までのは何だったのかって。もともとの要求から言えば低いけどね。
イノシシ:要求内容(一律2ヵ月分)からすると、子供だましだ!
ネコ:本来は「均等待遇」に基づいて正社員と同等の1.5ヶ月とか2ヶ月要求だったのを、「いきなり上げるのもなんだし」で100歩以上譲っての「一律3万以上は上げてくれ〜」だったんですよね。3万UPですら会社は「なんで?」って反応だった感じでしたが…。
ウサギ:でも、言わにゃ何でも始まらんってのは感じたよね。
イノシシ:確かに、あのときゃー、「もうしゃーない!譲ったるわ!」みたいな思いでいっぱいでしたが、「私たちの均等待遇要求の第一歩は3万円だった」ってのは、これから先を考えると、非常に価値ある前進のように思いませんか?
ネコ:寸志から一時金への変化ってそれはもう、もちろん、大きな価値はありますよ。

── ふりかえって処遇改善要求について反省すべき点などはありますか?
ネコ:反省は真の意味での均等化の活動が出来なかったことかな?
ウサギ:やっぱあれよね。H15年の冬の一時金の要求を正社員とオペレーターの別立てにしたことかな。夏では同一要求にしたけど、現実は厳しいってんで、つい冬の時に要求を下げてしまったこと。
ネコ:そそ。それそれ
イノシシ:遠慮しちゃったんですかね。
ネコ:なんだかんだいって譲った結果、主張とは矛盾しちゃってるんだにゃ。会社に気兼ねしたわけじゃないんですけどね。
イノシシ:実現可能性を優先してしまった結果、均等化の原則と噛み合わなくなってしまったって感じかな。
ウサギ:そうゆうことです。H15年の夏の会社の回答から、こちらにも突然2ヶ月は無理かなという気もあったしね。なのに一方で均等化と言ってる自分があれっ?て感じです。
ネコ:それを反省して、今年は正社員と同じく○カ月で要求しましたけどね。
クマ:そうそう。期末手当が同率だったこともあったし。

── 正社員とオペレーターの区別ってどこにあると考えていますか?
クマ:区別っていうと、例えば給与制度の違い、業務内容の違い…それ以外の区別ってあるのかな? 意識の違いとか?
ウサギ:仕事の内容かな? 分業と言えばそれまでだけど。
ネコ:時給・固定と業務の範囲と…。
イノシシ:例えば、業務範囲が違うから処遇も違うと会社が反論してきたら…どう答えます?
ウサギ:そこなのよね。
イノシシ:ここが均等化の肝だと思いますよ。その答えが出せるかどうかが…。
ウサギ:正社員とオペレーターとの業務範囲の「価値」が違うっていうんでしょ?
ネコ:自分たちがオールラウンダーなんだと考えてる上で「正社員」と言うならば、集計もやってつかあさいよ。別の会社…例えば製薬会社なんかだと、営業や薬剤師がいる。でもどっちが上であるかなんて不毛なことは言わない。どっちも重要なわけで。役割が違うからって、労働の価値まで違うってことはない。
ウサギ:会社はどうして正社員の価値のほうが高いというのかな?
クマ:労働の価値は範囲の価値だけで決まるものではないでしょう。同じ時間働き、それぞれの労働があって仕事が成り立つわけだから。
ウサギ:むかーしはそれでも良かったんでしょうね。手集計とか報告書の編集作業を切り貼りとかでやってた時は。その時代の感覚を会社は引きずってるのかな?
ネコ:カタイ頭をヤワラカクするのは大変なのだ。
ウサギ:酢でもかけてみるか?
ネコ:今まで結構酸っぱい事言ってきましたけどね〜(笑)。
イノシシ:業務範囲は違えども、会社は労働の総体として成り立っているわけですからね。「労働価値が同じなら、処遇も同じだ」という考え方を持ち続けることが大事なんでしょうね。これは個人的な感想ですが、会社の差別感覚は、どこか「男は仕事、女は家事」の意識と似ているように感じるんですよね。
ウサギ:そうね、正社員間にも業務範囲の違いはあるものね。
イノシシ:これからも分会は、処遇を均等化しないのは「差別だ!」と訴えないといけませんね。

── これからもオペレーターの処遇改善に取組まれると思いますが、NNRC-UNIONでは「処遇均等化」をどのように捉えていくのですか?
ウサギ:猫はどうしたい?なりたい?
ネコ:何をもってして「均等化」なのか。どこまででいいのか、どこから同一価値なのか・・・それを突き詰めないと。
ウサギ:さっきの続きになるけど、会社に差別意識がないなら、なぜ「正社員」と「非正社員」をつくったのかという疑問が生まれる。なので、まだ煮え切らないところがあるのです。単に要求したいことを言うなら、退職金を出せーとかはあるけどね。
ネコ:「正社員」という呼称が我々に当てはまらないのは何が違うからなのか…。給与体系が違うから?
イノシシ:会社は区別も差別もしているのでは?
ネコ:今はアルバイト以上正社員未満な状態?
クマ:処遇が均等になればおのずと「正社員オペレーター」が誕生する気もしますけど。
イノシシ:正社員側から率直にいうと、「オペレーターに責任を求められない」っていう意識がありますね。オペレーターからも時々「正社員の責任でしょ?」みたいなことを言われるときがありますが。
ウサギ:その分割り引くとしたら、どこまで求めてよいのやら?
イノシシ:でも、もうオペレーターは無期雇用なんだから、正規従業員であるという認識と、だからといって正社員と同じ責任をオペレーターに求められるのか、ってところで悩んでいます。
ウサギ:ここを追求するのが課題かな…。
ネコ:業務で分析も報告書も作らず、単に集計だけ、つまりオペレーターの作業だけで済むものだと、オペレーターがチーフじゃん!とか思うんだけどね。
まれに出現タヌキさん:実際、営業からオペレーターが直接業務指示を受けて、成果品を作成・納品という事もあってますしね。
ウサギ:それもあるね。客と直接やり取りすることもたまにあるし。
クマ:なるほど。それは正社員にも当てはまることですよね。「それは営業がやることでしょ?」って正社員も業務範囲によって責任の所在が違うから。
ネコ:「責任」は「責任者」の仕事(斬)
ウサギ:最終的な責任はすべて社長にあるってか?(ダメ押し)
ネコ:正社員だろうがオペレーターだろうがアルバイトだろうが、現場の責任者が責任を取るとばい。取れない時は上が出る。コンビニでも中小でも大会社でも、これ、定説です(怪)
イノシシ:業務範囲の違い、それに伴う責任レベルの違い、しかしそれが処遇の違いに直結するのは間違ってて、やはり会社にとっての労働価値(役割)に見合った処遇化ってことですかね? 今後もそのへんを突き詰めていくか。
ウサギ:「労働価値(役割)に見合った…」ってのも数字とかで表現できれば説得力あるかもね。
イノシシ:例えば、時給制なのは集計業務が中心だからか? 退職金がないのは集計業務が中心だからか? …説明できないですよね? それって差別意識ですよ。
ネコ:「どうしてダメなのか」って突っ込んだ時の会社の回答は、「昔からそうなってたから」っていうだけの事が多い。自分たちでもわかってないんですよね。
ウサギ:そうね。会社側に説明させてそれを崩していくほうがいいのかな?
イノシシ:「昔からそうなってたから」…いわゆる固定観念を壊していかないといけないんでしょうかね? さっきも言いましたが、通念とか固定観念が差別を生んでいるってのが、ジェンダーの問題と似ているんですよね。社会的役割分担意識ってやつ。それが社内の判断基準を歪めていると強く思う。
ネコ:オペレーターって、ほとんど女性なんですよね。男性オペレーターは仕事の範囲が少し違う…でも「オペレーター」でひとくくり。
イノシシ:正社員で集計業務を教育するのも女性スタッフだけだし。それって男女雇用機会均等法に抵触しているやん?! …しかし、処遇均等化は非常に大きな問題ですね。
ネコ:大きいし、難しいです。平行線の向こうには何がある…平行線かよ?!
ウサギ:平行線がいつかひとつになるまで私たちは頑張るのです。
ネコ:地平線が見えないからね〜〜…。
イノシシ:しかし、今は平行線に見えても、確実に角度がついているんですから、いつか必ず交差するのではないですか? 逆に角度ついてたらえらいことやけど…(笑)。
ネコ:今もこの先も、くっついたり離れたり交差したりするッスよ。
クマ:わずかな角度でも、長くなると近づくんだし。じっくり取組みましょう!

2004年8月収録


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